『フードインク』 [感想@ 2014年まで]
『フードインク』 ( Food,Inc. )
2008年(米) / 日本公開 ’11.1~
監督:ロバート・ケナー / 94 min.
「食の社会見学」シリーズ第1弾。
アメリカで起こっている食に関する
ことを映したドキュメンタリー作品。
『キング・コーン [DVD] 』という
アメリカのとうもろこしに関する
ドキュメンタリー作品とあわせて観たら、
より興味深く感じられると思う。
(個人的には『キングコーン』の方が
興味深く、面白かったです。)
各章のタイトルは以下の通り・・・
1.全ての食品はファストフードに
2.豊かさの選択
3.予期せぬ結果
4.1ドルメニュー
5.草の中に
6.目に見えないコスト
7.種からスーパーマーケットまで
8.システムに対するショック
オープニングにあった、
『食品業界は真実を隠したいんだ。
知ると食欲が失せるから。』
という言葉が印象的。
個人的には、2.が興味深かった。
『キングコーン』を観ていたからかもしれないけど。
食品の源をたどっていくと、最終的に、
全てアイオワ州のコーン畑に行き着く、という。
工業食品のほとんどはコーンを原材料にしている。
大手スーパーの棚にある90%の製品に、
コーンか大豆成分が含まれており、
大抵はその両方なんだとか。
高果糖コーンシロップの他に、
食品添加物、乳化剤、抗酸化剤なども
コーンを原料として作られている。
コーンは、牛などの飼料としても用いられる。
もともと牛は草を食べるように進化してきた
生物だから、コーンを食べるように出来ていない。
それなのに、コーンを食べさせることによって、
新たな大腸菌(O-157 など)が発生した。
牛に、コーンの代わりに5日間牧草を与えれば、
大腸菌の8割は死滅するという。
しかし、そうすることはせず。
アンモニアで殺菌消毒された
「食肉パテ」を提供する道を選ぶ。
食肉業界は3~4社で、
市場の80%以上を占めているから、
利益の方が選ばれた、ということらしい。
そうすることによって、安く提供されるバーガー。
体に良いと解っていても野菜一つ買うよりも、
バーガー2個の方が安いという現状。
(コーン原材料の甘味料入りソーダーも安い。)
糖尿病という社会問題も発生してくる。
2000年以降に生まれた子供たちにも
深刻な問題が発生しており、
特にマイノリティー社会だけをみると、
2人に1人という現実がある。
食品のもうひとつの源・大豆。
遺伝子組み換え食品の問題。
多国籍大企業に農家個人で対抗出来ない。
よって、1企業が大豆産業を牛耳り、
農家が大豆を保存出来ない仕組みになってる。
農薬に対する耐久性がある
特許を持ったその大豆が、
ほぼ100%になっていく、とか。
そんななか、「有機」による食品も。
消費者がそちらを選ぶことによって、
最大企業ウォルマートでも動き出した。
会社は儲けのためだろうとしても、
有機食品を扱いだしたことに意味がある。
現在の食のシステムを変えるチャンス。
有機食品を選ぶということも意味はある。
旬のものを食べる。
ラベルを読み、成分を知る。
労働者や動物に優しく、環境を大事にする
そんな企業から買う事なども大事。
食肉を処理するシーンもあり。
かなり目を背けたくなった。
昔ながらの牧場の例もある。
「牛の糞で草が育ち、その草を牛が食べる。
全て自然に循環している牧場」。
同じ食肉を処理しているにしても、
世界最大の食肉工場(1日3万2千頭の豚)
などと比較して、明らかに衛生的。
・・・大手は消毒していても。
「イノチでなくモノ」としての食肉。
対して小さな牧場では、
「イノチをいただいて食べている」
といった印象の違いを感じられた。
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