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『僕と妻の1778の物語』 [感想@ 2014年まで]



   
僕と妻の1778の物語 スタンダード・エディションDVD

僕と妻の1778の物語 スタンダード・エディションDVD

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD



   ’11  /  139min.

   原作: 眉村卓

   監督: 星護

   出演: 草彅剛  竹内結子  
       谷原章介  大杉漣  他





SF作家・牧村朔太郎(草彅)は、
一番の読者であり理解者である
妻・節子(竹内)と仲睦まじく暮らしていた。

ある日、節子は腹痛を感じ、病院へ行くと、
大腸ガンが発見され、余命1年を宣告される。

『僕に何が出来る?』

節子のために出来る事を考えた牧村は、
「笑うと免疫力が上がることがある」
という医師(大杉)の言葉から、
節子のためにショートショートな
笑える話を書くことに決めた。

課したルールは、1日1話、3枚以上。
牧村はさっそく実行に移し ・・・





SF作家・眉村卓氏と妻・悦子さん
夫婦の間にあった実話を元にしている話。







以下、ネタバレありな感想です。







作家・眉村卓さんの実話。
昔『時空の旅人』という話を読んだ気がします。

で、このエピソードも何かの本で読んでいて・・・。
(有栖川有栖さんのエッセイだったかなぁ?
彼と綾辻行人さんの対談本かなぁ?と、うろ覚え)

何となく気になってたので、レンタル。



もっと痛々しい話かと思ったら、
それよりも夫婦の愛が羨ましい、といった印象。

妻・節子の笑顔によるところが大きいか。
(竹内結子さんの笑顔、とても素敵でした)





牧村が小説の構想を練っていて、
その空想が映像となって現れるシーンから始まる。
彼一人だと世界はこんな風に感じられるのかな、と。

小説を書き始めると外界が見えなくなってしまう
牧村を理解し、現実社会との間を取り持っている、
節子はそんな存在なのかな~、と思う。

浮世離れして無邪気な彼だから、嘘は下手。
彼女のために1日1話の笑える話を書く、
と言い出したとき、彼女は自分の病状を悟ってしまう。

それでも節子は、問い質さない。
笑顔で、牧村が書いてくれた話を楽しむ。

実際、彼の作品の一番の読者だから
幸せだったんだろうけど、
不安も感じていたことだろう。
けれど、そんな様子は微塵も見せずに。



牧村の第50話、『ある夜の夢』において。
(1人残して大丈夫かなぁ)というような言葉を、
ポツリ小さく洩らしているのが印象に残った。

自分の病よりも牧村が心配だったんだろう。
・・・こういう愛っていいなぁ、と。

つい、彼女視点で観てしまったので、
牧村の一生懸命さが愛おしくなってしまう。



そんな風に笑顔を絶やさない節子だったから、
痛みを訴えてからは痛々しい。





節子が入院することになって、1話を書くことに
没頭するあまり奇行を見せる牧村を、遠巻きに、
胡散臭い人物と眺めていた周りの人が、
事実を知ってのちの行動に涙。

多分、彼らが登場して、
私の視点がそちらへ移ったのか、と。



ある夫婦の愛の形を、外から眺める傍観者。

そうしたら、とたん切ない話と見えてきた。
節子の最後が近付いてきたせいもある。

1778話。
余命は1年をはるかに超えて、5年近く。

薬の力もあるだろうけど、
愛の力だってあるよねぇ。



ラスト、旅立ってしまった彼女への1話は。
文字にすることなく、空文字となる。

彼はどんな話を書いたのだろうか。

その手紙は天へと羽ばたいて行くけれど。
牧村には確かにそう見えたのだろうね。



こんな夫婦が羨ましい。
憧れる、と思ったお話でした。








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